共生型サービスに移行する方法

従来は介護保険の適用を受けている高齢者施設と障碍福祉の指定を受けている障碍者施設が別個のものとされ、ひとつの施設で両方の設置基準を満たして両者を兼ねることは困難でした。しかしながら、限られた資源を生かして障碍者と高齢者を支えるには、両者を兼ねた施設を有効活用する方が現実的であるため、共生型サービスという制度が生まれました。共生型サービスとは、介護保険法か障碍者総合支援法のいずれかの適用のある施設であれば、従来の基準を緩めて両方を兼ねた施設への移行を容易にするというものです。障碍者施設が共生型サービスを始めれば、利用者は高齢になっても別の高齢者施設に移る必要が無く、引き続き同じ施設に留まることができます。

事業所にとっても、利用者を確保して経営の安定を図るという意味ではメリットがあると言えるでしょう。ただし、共生型サービスにも追加事業の種類について制限があるので注意が必要です。元の事業形態によって選択できる追加サービスの内容は決まっています。たとえば、デイケアサービスという高齢者の通所施設であれば、新規に開業できる障碍者サービスが放課後等デイサービス、児童発達支援、自立訓練などの通所サービスに限られます。従来の事業が日中だけ開所しているサービスであれば、追加開業できるのも日中の活動に限定されるということです。逆に特別養護老人ホーム、短期入所生活介護施設など高齢者居住型の施設が共生型サービスを始めるとしたら、障碍者が短期入所する居住型のサービスしかできないということになっています。